|
地下帝国 番外地 (にょろにょろ注意です) まだカイジが地下で仲間達と倹約生活にいそしんでいた頃のことである。 「カイジくん、君には明日から2〜3日、みんなとは別のところで仕事をしてもらいたい」 あとひと月でピンハネされていない給料を得るというところで、45組倹約生活リーダーのカイジに別行動の指示… 俺を隔離して45組を狩る気か、このド畜生っ…と、口に出さずとも目で怒りまくるカイジの視線を受けて、大槻班長、表面だけは大仏のような笑顔で、まぁまぁそんな顔をしなくとも…となだめる。 「これは上からの指示なのだよ。どの道、明日になれば黒服の方々のお迎えが来る…なんでもその仕事が終わったら、普通15万ペリカないと泊まれない個室に一泊させてくれるそうだ。わしとて、そんな好条件の仕事を君にだけは回したくないのだがね」 うさんくさい罠の匂いがぷんぷんする。 「で、その好条件の仕事の内容ってのはなんだ?」 「さあ…『選ばれたものだけが就くことのできる崇高なる役務』との説明しか聞いていないからねぇ」 ますますうさんくさい…温和な表情の下で邪悪に光る大槻の目を見れば、こいつなにか知ってやがると直感するカイジであるが、どのみち拒否権はないのである。 再度、大槻をキッと睨みつけると、カイジは仲間たちの所へ帰っていった。 カイジたちに聞こえぬよう、石和がこそっと大槻に耳打ちする。 「班長、いいんですか?上からの本当の指名は三好でしょう?」 「…なぁに、その辺はどうとでもなる。一応ヤツも候補者には上がってたらしいからな。『三好は経験があるようだったので、もう一人の候補者の方を立てました』とでも、あとで言っておくさ。それにしても…」 大槻は先ほどとは打って変わって、邪悪丸出しに笑う。 「あのガキをとっちめようと思ってた矢先に『せきりょう様』への供物を差し出すことになるとは、わしも運がいい。生意気なあのガキも、おとなしくなるだろうよ…もっとも、正気で帰ってきた者はいないって話だがね」
翌日…心配そうな45組のメンツに、心配ないから、大槻の甘言に乗るなよ、金の管理と倹約のルールだけはしっかり守れよと言い残し、黒服に連れ去られたカイジである。 心配ないどころか、心配だらけだ。45組のことも当然不安だが、自分はこれから何をやらされるのか… まさか、核廃棄物タンクの清掃とか?…などなど、嫌なことしか頭に浮かばない。 最初にさせられたことは、こざっぱりした個室の浴室で入浴させられ、純白の着物風デザインの脱着簡単なローブに着替えさせられた。 なにやらいい匂いがしみこませてある、その着物風ローブは、裾丈の長さは膝上くらいまでしか長さがなく、ただでさえひらひらスースーする上、下着をつけることが許されなかった…ノーパンミニスカみたいなもので、落ち着きないことこの上ない。しかもその恰好で、前後に黒服にはさまれた形で真っ暗な細い道をぺたぺた歩かされているのである。 恰好そのものは、人間ドックで検査を受けるのと同じようなものとあきらめるとしても、一体自分はどこへ連れて行かれるのか?ブラックメンに両脇抱えられる宇宙人て、こんな気分なのかなぁ…とますます陰鬱な気分になる。 「俺はいったい、なにをやらされるんだ?」 何も答えないだろうと半ばあきらめつつ、心細さからつい問うてしまったその言葉に、以外にも前を歩く黒服が振り向かないまま返事を返した。 「神事の巫女みたいなものだな」 「なんだ?そりゃ」 「本来地上に住まうべき人間が、有事に備えてとはいえ、領域を侵して地底に生活基盤とするための巨大シェルターを作っているんだから、奉らなきゃならん存在ってのも出て来る。ここでは『せきりょう様』と呼んでいるがね」 「せきりょう?」 「赤い竜と書く。まぁ、死ぬことはないから心配するな」 「ちょっと待てっ」 死ぬことはない…つまり『命に別状はないがひどい目に遭う』の同義語。 問い詰めようとしたところで、黒服の背中に追突。目的地に着いたらしい。 やや広いスペースの壁に、注連縄をかけた人の身長ほどもある岩がある…岩の周囲には黒服5〜6人たかっており、カイジが到着するやいなや、彼らはその岩を人がかろうじて通れるスペースまで動かした。 嫌な予感はコトの内容は不明のまま確信となり、逃げようとするカイジを黒服たちは捕らえ、穴の中に放り込む。 穴の内部の地面はなにやらふかふかした土で、どこかを激しく打ち付けるということはなかったが、ひどく乱暴な勢いで放りこまれて転んだため、すぐに体勢を立て直すことが出来ない。 なにやら重たげな袋も一つ放り込むと、黒服たちは再び岩を動かして、カイジを中に閉じ込めてしまった。 「おい、出せよっ!!出せったらっ!!」 岩を叩いて抗議するが、響くのは自分の声だけ。表で立ち去る気配はわかるので、とりあえず密閉はされていないようだから、空気の心配はしなくても大丈夫そうだが、このままいつまでも放っておかれたら餓死してしまう… そういえばと、なにやら重たげな袋を手探りで見つけ、その内を探る。 中身は懐中電灯1つ、水とブロック食がおよそ3日分。ナイフ等の護身用に必要と思われるものはナシ。 カイジは一つ、ため息をついた。 「なんだか、そういえば巫女だとかなんとか言ってたなぁ…」 祝詞の一つも知らない素人にどうしろというのか…でも、連中のことだから、ちゃっかりこの穴倉にも暗視カメラかなんか入れて、ちゃんと仕事してたのかどうかチェックしてそうだし、仕事らしいことしてなきゃ、その分、給料から天引きとか言いそうだしなぁ… 真っ暗な内部を照らしてみると、キラリと何かが光る。鏡らしい。 じゃあそのあたりに神事マニュアルかなんかあるのかと、懐中電灯片手に奥に進んでみるが、土で固めたの粗末な祭壇らしきものの上に丸い鏡が一つおいてあるだけ。しかもその鏡、由緒ありげな代物ではなく、いかにもパチもん……信仰心はまるでなく、税金対策のためだけに立ち上げた宗教団体の方が、まだ、マトモなレプリカを作るだろう… いったいなんなんだろう…と、途方にくれて立ち尽くすカイジの足元で、何かが蠢いた。 「えっ…?」 柔らかい土壌にただ足が沈んだにしてはおかしい…思わず、出口の方へ駆け出そうとすると、右足に何か生ぬるいものが巻きついてきた。 帝愛特製のなにかのトラップかと思い、懐中電灯をそちらに向けると… 「……っ!?」 人間、心底本気で驚くと、言葉が出なくなるものらしい。 小さな灯りに照らし出されたもの、それはベージュがかった赤色の、骨もなければ足もなく、頭と尻尾の区別は首輪で見分けるしかない環形動物…ミミズである。しかもすべてが地中から出ているわけではないが、カイジの足に巻きついてる段階で、すでにやたらロング…種類によっては3mほどの長さのものもいるようだが、当然、カイジは見たことがなく、しかもこのミミズ、太さは少なくとも拒食症の成人女性の腕くらいはある… あまりに信じられない生物の出現で、カイジ半泣き。何とか逃げ出そうとあがくあまり、つい、懐中電灯を落としてしまったゆえ、カイジは細部まで見ることはなかったが、実はこのミミズ、普通と違い、頭部はあるものの形をしていた… あがけばあがくほどそれは強く巻きつき、また、もう片足にも、さらに一匹巻きついてきた。 その二匹はタイミングを合わせたように、地中にカイジを引き込むように動き、カイジはバランスを崩して、仰向けに転倒してしまった。 上体を支えた腕にも、すかさずおぞましい生物が巻きついてくる。 「うっ…うわぁぁぁぁ〜っ」 その生物は巻きつきながら這い上がってきて、カイジは嫌悪感にたまらず、声を上げる。 白い衣装は土に汚れ、もがくうちに簡単な仕組みの着衣は、すでに乱れきっていた。そして大きく足を割るような形で捕らえられたカイジ。 下着すらつけていないカイジの中心に、二匹の赤竜はたどり着く。 「やだっ…なんなんだよっ…っ」 拒絶の叫びは当然である。おぞましい生物は片やカイジの雄に巻きつき、片やカイジの入り口をつついていたのだ。気持ち悪くて当たり前というもの…だが、カイジの快楽に敏感なそこだけは、主の感性とは別のようだった。 カイジを搾り取るように蠢く肉塊…その生物の移動する際に使う、胴体に生えた繊毛のようなもの…それがこの世のものならぬ刺激をカイジにもたらしていた。本人は吐き気がするほど気持ち悪いのに、その部分だけが気持ちいい… 一方、入り口をつついていたもう片方は、なかなかそこがほぐれぬことにあきらめたのか、カイジの太腿の辺りで停滞していた。気持ち悪いことには変わりないが、とりあえず内部を目指すことをあきらめたのかと、ほんの少しだけ安心したカイジである…だが。 「ひっ…」 にゅるり…と、何か細いものの進入を許してしまった。一つ入ると二つ、二つはいると三つ…三本の細くて長い…触感が自分の体に巻きついているものと同じものが、自分の内部で蠢く。 責められる前と後ろ…それは人が知ってはならない愉悦… 禁断の感触に嫌だ嫌だと泣きながら、次第にそれは喘ぎへと変わり…あぁ…と吐息を漏らし、果て…脱力するのを狙い済ましていたかのように、カイジの太腿で眠っていたかのような竜が、カイジの奥へと進んだ。 「うっ……」 先ほどの細い尖兵の繊細さとは打って変って、太い楔は激しく蠢き、そのたびに繊毛が内部をえぐり擦る。どんな女殺しのテクニシャンだろうが、大人向けに開発された玩具だろうが、それは絶対に叶わない…意思を持った動きに、カイジは自分が犯されていることを知った。 なんでこんな… 生物の本能というにはおかしすぎる。だが、そんなことを考えている余裕はなかった。 「……っ」 腕に巻きついていたそれが首に巻きつき…口元に頭を押し付ける。何度も首を振り、振り払おうとしても、それは執拗にカイジのくちびるに頭を押し付けてくる。口内に入ろうとしているかのようだった。 叫びだしたいのをこらえ、必死で歯を食いしばるカイジだったが、巻きついた肉の帯に首を絞められ、本能的に酸素を求め、微かにくちびるが開いたところで、口腔に入り込まれる。 悪夢そのものだった。 口に広がる、土の苦いようないがらっぽい味…確かめたくもないが、口一杯を支配されているので、舌先が捉えてしまう感触…その先端はなぜか人の皮膚の感触に似ていて、なぜかぬめりを帯びていた。 この生物に痛覚があるなら、噛み付いたら痛みで離れるかもしれない…ちらりとそう思ったが、そのとき滲み出す体液が毒ではないという保障はない…そう思うと、実行するのもためらわれる。 カイジが躊躇してる間にも、口腔を犯す生物も動き出した。こちらは何度も頭部を小刻みに前後に動かす…しばらくしたのち、口を支配していた肉の塊がはぜた。どうしてミミズの頭部から粘液が出るのか、不思議に思う暇もない。ただ、吐き出されたそれを飲み込まないようにするのに必死である。 粘液を出すことが目的なら、早く出て行けばいいものを、口一杯をふさぐそれはカイジが飲み込むまで居座る気なのか…いや、飲み込むのを強制するように、また頭をゆすりだす。 これも毒かもしれないのに… 勘弁して欲しかった。だが、さらに困ったことは、いっそ、吐き気を催すほどひどい味なら、なんとしても吐き出すのに、その体液は甘かった…意思とは裏腹に、禁欲生活にたまりかねている体は、自分が思う以上に甘味に飢えていた…肉塊がいつまでも出て行かないのも手伝って、咽喉はコクリとそれを嚥下する。 腕が自由なら即刻指をノドに突っ込んで吐き出すのに、生きた拘束具は蠢きながら、カイジを地に拘束し続ける。 先ほどカイジの敏感な果実を弄っていた個体が自分の胴に巻きついてきたとき、この生物がその粘液を飲み込むことを強制した理由がわかった気がした。 さきほどならおぞましさしか感じなかったはずなのに…自分の体を這い回るそれの感触が、たまらなく気持ちいい…催淫効果があったようである。 ヤバイ、こんなのいけないと、カイジの頭の中では警告ランプがつきっぱなし、サイレン鳴りっぱなしなのに、先ほどから犯され続けている下半身が疼いてきて、自ら腰を使い始める。 自分の中で赤竜が体液を撒き散らして退き、次に別の個体がまたカイジの内部に入り…うねうねと蠢く個体の数が増えても、もはやカイジに嫌悪感はなく、むしろ自ら求めていった… 「ほれ、一万よこせ」 「ちっ、こいつは堕ちないと思ったのに」 帝愛地下帝国モニタールーム。 黒服二人が、カイジが快楽に負けるかどうかの賭けをしていた。 帝愛謹製暗視スコープは、真の暗闇も真昼の如く鮮明に映し出す。カイジと蠢く生物のおぞましくも艶めかしい痴態もばっちりモニターされていた。 「まぁ『せきりょう様』は百戦錬磨のツワモノだからな。今度はこのまま壊れて売春窟行かどうか賭けるか?」 「こうなっちまうと、賭けが成立しないだろ。壊れなくってもアレに馴らされたら自分から下層に堕ちちまうんだから。前のいけにえは早く商品化してくれって泣いてたしな」 「下半身産業が一番金になるから、開発部も通年で使えるように頑張ってるらしいけどな。でもできるのは一年に一度発情するタイプばっか。年にいっぺんしか使えないなら、あんな場所はとるわ、ナニの最中はそれがいいったって、普段見るには気色悪いわ可愛くないわでペットには向かないんで、売り出せない…で、マニアに流通するビデオの撮影用に、えりすぐりの数匹だけがあそこで飼育されてると」 「ミミズと人間の男との掛け合わせなんだろ?」 「しかも女には見向きもしない上、童貞にして処女ってのが大好物…目が見えないくせに以外と面食い…たぶん遺伝子の提供者に問題ありだな」 「………なんか、すごいバイオな技術をすごく無駄なことに使ってるって気がしないか?」 「……そういうことは考えない方が長生きするコツだぞ」 「………そうだな」 のちに…黒服達の予想に反して、正気に返り、更なる下層にも堕ちなかったカイジは、独断でいけにえを三好からカイジにチェンジした大槻に兵藤会長から金一封が出されたことを知り、打倒大槻の決意を新たにしたことは言うまでもない… |